キジの卵
仕事で草刈りをしていたら雌のキジが草むらから飛び出してきました。
嫌な予感がして飛び出してきたあたりをのぞき込むと、予感的中。たくさんのキジの卵がありました。
林業で夏に下刈り作業をしていると、たくさんの鳥の巣を見かけます。
ホオジロが一番多いですが、「おそらくこの辺に巣があるのだろうな」という動きをするヨタカもよく見かけます。
ドイツの林業で素晴らしいと思うところは、林業の営みの中で喪失しかねない動植物に対する配慮がなされているところです。
例えば猛禽類の巣がかかっている木の伐採をしてはいけない、とかそういった取り決め(どのレベルでの話かは分かりませんが)
があるという話をドイツの林業を紹介している本で読みました。
日本の林業ではそういった「積極的に保全のための行動をしていいよ」という内容の取り決めは、少なくとも私は聞いたことがなく、
仕方がないので巣を見つけた時にはこっそり周辺を少しだけ刈り残しています。
何か言われたら「蜂がいそうだったので」で逃げようと思っています(蜂の巣がありそうな場合、無理に刈らなくていい)が、まだ何か言われたことはありません。
後ろめたい思いも、トラブルも嫌なので、指示書かなにかに保全について明文化してほしいなあといつも思います。
今回のキジの卵があった場所ですが、造成されることが決まっていたので、刈り残しても意味がありません。
どうしたものかと悩みましたが、カモの仲間が、翼に卵を挟んで持ち運んで移動させることを知っていたので、
キジもその能力があることに期待して、その場を離れ、たまに確認していたのですが、
どうやら期待したとおり、母雉はせっせと卵をどこかに運んだようで、ほっとしました。
しかし器用に運ぶものです。