冬季の野外作業におけるウエア選び
21年も本格的に寒波が到来しました。防寒具のありがたみが身に染みる時期です。
私も10年以上アウトドアの仕事をしてきまして、この時期は毎年苦労してきました。
しかしここ数年は防寒用品が急激に発達したことと、私がそれを購入したことで寒さに対するストレスがかなり小さくなりました。
「もっと早く知っておけば、買っておけばよかった」と思うものをご紹介したいと思います。
一番大事なのは肌着。そして薄く重ねることと、その重ねる順番
冬のアウトドアで一番大事なのは一番下層のレイヤー、つまり肌着です。
色々なメーカーからいろいろな肌着が出ていて私もいろいろ試しましたが、
冬のアウトドアの肌着は「ドライ系」の物がいいと思います。
「発熱系」の肌着も試してみましたが、あれは体を動かして体温が上がった時に発熱し、
止まった時にはびしょびしょで汗冷えするものがほとんどです。
冬の野外活動では「汗冷えをさせない」ことが最も大切なことです。
次に大切なことは薄く重ね着することです。冬山登山など別次元の話はともかくとして、
例え気温がマイナス5度ぐらいだとしても動けばロングTシャツ一枚で平気なぐらい体は温まります。
「Tシャツの上に分厚いダウン」というスタイルだと、変化する体温をウエアの脱ぎ着で微調整できません。
うまく微調整をして汗をかかないことが大切です。一方で体を締め付けるほど重ね着し過ぎると、
血流が悪くなり体が温まりにくくなるので注意が必要です。
最後に大事なのは重ねる順番です。野外活動といっても作業内容は様々ですので重ね着する量も様々ですが、
最も重ね着する場合で私のおすすめは、肌に近い方から、
①ドライ系肌着 → ②薄手の速乾系シャツ → ③薄手のダウンベストorヒーターベスト → ④ウインドブレーカー → ⑤アウター
という順です。ポイントは以下の通りです。
・ドライ系肌着の上に速乾系のシャツを着ることで、肌着が吐き出した水分をさらに体から遠くに送り出すこと。
・ダウンやヒーターベストは肌に近いところに重ねる方が効果的
・ダウンの上にウインドブレーカーを着ることで風による冷えを防げる。ウインドブレーカーはゴアテックス系の物が良い。
以上のことを踏まえて作業に合わせたウエアを決めていくわけですが、お金をかければいくらでも温かくできる一方で、
野外作業でのウエアは汚れや破れがつきまとう消耗品ですので、できるだけコストを抑えたいものです。
なので私はピンポイントでお金をかけるようにしています。
お金をかけているのは①ドライ系肌着、③薄手のダウンベストorヒーターベスト です。
①と③+ウインドブレーカー(後述するが安いものでいい)でしっかりレイヤーを作って入れば、アウターは正直おまけです。
残りの②薄手の速乾系シャツ、④ウインドブレーカー、⑤アウター は安いものでいいと思っています。
②薄手の速乾系シャツは夏用の冷えるものでなければホームセンター等で売られている安いもので構いません。
タイトなものとゆったりめなものであれば、ゆったりめのものの方が血流を阻害しないのでベターです。
④ウインドブレーカーもゴアテックスのものが湿度を吐き出せるので最良ですが、ホームセンターの薄手のヤッケでも十分代用できます。
最近ではゴアテックスに似た機能を持つ商品も安価でいろいろと売られていますね。
⑤のアウターはワークマンのイージスなど、丈夫で温かく、安価なものが最近ではたくさん売られています。
ウインドブレーカーの機能があるものなら④のウインドブレーカーを省くこともできます。
いろいろ試してたどり着いた、ベストな肌着
肌着は本当にいろいろ試しました。ユニクロヒートテック、ミズノ、モンベル、アンダーアーマー・・・
どれも温かいんですが、どちらかというと屋内向きだと感じました。野外では汗冷えします。
たどり着いた答えは2つのメーカーの肌着です。
一つ目はMilletの『DRYNAMIC MESH』
二つ目はfinetrackの『DRY LAYER WARM』です。


設計思想は両社で全然違うのですが、どちらも肌は常にドライに保たれて温かく快適です。
甲乙つけがたい2つの製品ですが、私は
「野外で体を全く動かさない時は上にダウンベストを着るのでMillet:DRYNAMIC MESH」、
「重機キャビンから出たり入ったり、寒暖が目まぐるしく変わるときは上にヒーターベストを着るのでfinetrack:DRY LAYER WARM」
という風に使い分けています。
Millet:DRYNAMIC MESH は背の高いメッシュで大きな空気の層ができるのでこちらの商品の方が単体での保温効果が高く、ダウンベストとの相性がいいと感じます。
一方でヒーターベストを合わせたいときは、肌着が薄手の方がヒーターの温かさを感じやすいので finetrack:DRY LAYER WARM の方が相性がいいです。全面皮膚に接しているのでDRY感もこちらの方が若干高いと感じ、暖かい重機キャビンから出たり入ったりという場面ではより性能が活きます。
体を常に動かす状況であればどちらを選択しても間違いないと思える、非常にお勧めできる商品です。
耐久性ですが、finetrackは今冬からの仕様なのでわかりませんが、Milletは3着買って6冬使っていますが、いまだにヘタる気配がなく、
総合的に自信を持ってお勧めできます。(欠点はそれこそ、銭湯で脱いだ時にちょっと恥ずかしいというぐらいです)
余談:ダウンベストとヒーターベスト
ダウンとヒーターベスト、私はお金をかけているのですが、「おすすめ商品」はありません。
何故かというとダウンというのは「(同じメーカーであれば)高ければ高いほど性能がいい」という商品で、
ヒーターベストは「各社それほど性能に差がなく値段も同価格帯」だからです。
つまりダウンは本人がどれだけお金をかけられるか(かけたいか)というところで商品が決まりますし、
ヒーターベストはどれを買っても正直大差ないということです。
ダウンはインナーに着るので暖かく且つ薄手の物を選びたいです。ちなみに私はノースフェイスのものを着ています。
ヒーターベストは、性能に差はないですが、インナーに着るので、スイッチの切り替えがしやすい仕組みのものを選ぶことをおすすめします。
いちいちスイッチの切り替えのためにベストの前ジッパーを開く必要があるものだと、こまめな体温調整のためにヒーターベストを着ているメリットが無くなってしまいます。
フットウエアと手袋は
長く野外作業に従事している方は「着るものは正直なんでもいい。本当につらいのは手足の指先の冷え」
という方が多いのではないかと思います。
わかります。体の寒さは我慢できても、指先の冷えによる痛みは一刻も早く室内に退避したくなるものです。
私も長く苦しんでおりましたが、今冬からfinetrackで靴下と手袋のインナーを購入して試しているところです。
今のところは感触は非常に良好ですが、一冬使ってみてしっかりとしたレビュー記事をまた書きたいと思います。
以上、装備の安定は作業の安全につながるというのが私の考えです。
今回の記事がウエア選びの一助になれば幸いです。